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女性活躍を阻むのは、「真面目過ぎる」職場文化

昨日は、「女性活躍×いいかげん」をテーマにしたセミナーに登壇しました。

 

「女性活躍を推進しましょう」と言われると、多くの企業が制度や研修に目を向けます。

しかし、実際の現場ではなかなか進まない。

なぜでしょうか。

 

理由のひとつは、日本の職場文化が「真面目すぎる」ことにあります。

 

例えば、定められたやり方を一字一句間違えずに守る、

上司の期待に応えようと必要以上に頑張る、

誰かが休むと穴を埋めるために残業する――。

こうした“過剰な責任感”が当たり前になっている職場では、子育てや介護などプライベートの制約がある女性が活躍しにくいのは当然です。

余裕のない環境では、イノベーションを生む新しい視点や挑戦も生まれにくいのです。

 

ここで必要なのが「いいかげん=良い加減」という発想です。

真剣に取り組むことは大切ですが、すべてを完璧にやろうとすると疲弊してしまいます。

むしろ“ちょうどいい加減”に力を抜くことで、本当に大切なことに集中できるのです。

 

例えば、会議の資料は「100点」を目指さなくても「60点で共有し、議論で仕上げる」でいい。

長時間働くのではなく、時間とエネルギーを意図的にコントロールし、必要なら思い切って休む。

周囲の期待に応えすぎず、できないことは「できません」と言う勇気を持つ。

そんな“余白”が、働く人の心にゆとりを生みます。

 

この“いいかげんさ”が広がると、働き方の柔軟性が増し、女性も無理なく力を発揮できます。

さらに、視野に余裕ができることで、これまで見えなかった課題や新しいアイデアにも気づきやすくなる。

結果的に、チーム全体の生産性やイノベーション力が向上するのです。

 

つまり、女性活躍を進めたいなら、単に制度を整えるだけでは不十分。

職場の価値観や働き方を、少し「いいかげん」にシフトすることが大切です。

真面目さを誇るのではなく、ほどよく肩の力を抜く文化をつくる。

これが、これからの企業が持つべき新しい競争力になるのではないでしょうか。

 

次回は、実際に“いいかげん=良い加減”に働くためのヒントを、すぐに職場で試せる3つのアクションとしてご紹介します。