先日、管理職の方との面談で、心に深く突き刺さる言葉を聞きました。
「妻に泣かれました」という一言でした。
4人のお子さんを抱えながら、奥様は毎日一人で育児と家事を担っているワンオペ状態。
一方で、ご本人は連日の残業で帰宅が深夜になることが常態化しており、家族との時間を持つことができずにいました。
奥様の涙の背景には、単なる疲労だけでなく、孤独感や将来への不安、そして夫との関係性への危機感があったのではないでしょうか。
子育ては24時間365日続くものであり、一人でその責任を背負い続けることの重圧は想像を絶するものがあります。
このような状況は決して特別なケースではありません。
多くの管理職の方々が同様の悩みを抱えており、その背後には家族の犠牲が隠れています。
長時間労働は本人の健康を害するだけでなく、配偶者の精神的負担を増大させ、子どもたちから父親との貴重な時間を奪っているのです。
管理職だからといって、長時間働くことが当然視される風潮は根本的に見直されるべきです。
責任の重さと労働時間の長さは必ずしも比例するものではありません。
むしろ、効率的な業務遂行と適切な権限委譲により、管理職こそが働き方改革の模範を示すべき立場にあるのです。
経営者の皆様には、管理職の長時間労働解消に本気で取り組んでいただきたいと強く願います。
それは単なる労働環境の改善にとどまらず、従業員とその家族の人生を守る重要な責任なのです。
健全な家庭があってこそ、真に力を発揮できる管理職が育つのではないでしょうか。