「人が辞めるのは仕方がないこと」。
そう思っていませんか?
もちろん、ライフステージの変化や転職市場の流動化など、個人の事情での退職はゼロにはできません。
でも、同じ職場で次々に人が辞める状況が続くとしたら、それは「組織の課題」として捉える必要があります。
離職率を下げるために最も大切なのは、「なぜ人が辞めていくのか」、その本質を見極めることです。
多くの企業が退職面談を形式的に行って終わりにしてしまっていますが、本音を拾いきれていないケースも少なくありません。
たとえば、「上司との関係がうまくいかなかった」という理由の背後には、「成果を出しても評価されない」「相談しにくい雰囲気がある」などの組織文化の問題が潜んでいることもあります。
こうした「辞めた理由の奥にある本当の理由」に目を向けることが、改善の糸口になります。
また、辞めた人の話だけでなく、「辞めようか迷ったけれど残った人」の声にも耳を傾けることが有効です。
彼らは離職のリスクが高かったにも関わらず、とどまる決断をした人たち。
何が踏みとどまらせたのか、どんな不満があったのかをヒアリングすることで、予防策を立てやすくなります。
さらに、働きがいのある職場づくりには、以下の3つの要素が欠かせません。
1.安心して話せる上司との関係性
定期的な1on1面談や、相談しやすい雰囲気づくりは、メンタル不調の予防だけでなく、エンゲージメント向上にもつながります。
2.納得感のある評価制度
結果だけでなく、プロセスやチャレンジをきちんと見ることが大事です。
そして、評価の理由が不透明だと、モチベーション低下や不信感の原因になります。
3.休んでいい」と言える文化
頑張ることが美徳になりすぎていないでしょうか。
リフレッシュの機会がある職場ほど、長く働きやすくなります。
離職率を下げるとは、「辞めないように縛ること」ではなく、「ここで働き続けたい」と思ってもらえる職場をつくること。
そのためには、数字の裏にある人の感情や関係性にこそ目を向ける必要があります。