「1on1はやってるけど、雑談で終わってしまう」
「業務の進捗確認だけで、部下の本音が見えてこない」
そんな悩みを持つマネージャーは少なくありません。
せっかく時間をつくっても、ただの“進捗ミーティング”になっていてはもったいないですよね。
1on1は、心理的安全性を育て、信頼関係を築くための絶好のチャンスなのです。
では、どう進めれば「話してよかった」と思える時間になるのでしょうか?
1. 「上司が主役」ではなく「部下が主役」
1on1は“上司から伝える場”ではなく、“部下が話す場”です。
上司がアドバイスばかりするのではなく、部下が思っていること・感じていることを自由に話せるように意識しましょう。
おすすめは、冒頭に「今日は何について話したい?」と部下にテーマを委ねること。
自分の話したいことを話していいんだ、と思えるだけで、安心感と信頼感が高まります。
2. 話すのは“気持ち”、聞くのは“背景”
業務の話も大切ですが、それだけでは心理的安全性は育ちません。
「どう思ってる?」「不安に感じてることある?」など、感情にも焦点をあててみましょう。
たとえば、
「会議で発言が少なかったけど、どう感じてた?」
「このタスク、気が進まない部分あったかな?」
といった声かけで、“言えなかった気持ち”を引き出すことができます。
ポイントは、「正す」のではなく「理解する」姿勢。
部下の言葉の“裏側にある背景”を知ろうとすることが大切です。
3. 評価・指導の場と切り分ける
1on1で“評価されている”と感じると、人は無意識に本音を隠します。
そのため、1on1は「安全な対話の時間」であることを事前に伝えましょう。
「あなたの思いや考えを聴く時間にしたい」
このひと言があるだけで、安心して話せるようになります。
4. 目指すのは「何を言っても大丈夫」と思える関係
最終的に大切なのは、1on1を“信頼の積み重ね”にすることです。
一度や二度の面談で信頼関係は築けません。
ですが、「否定しない」「遮らない」「共感する」ことを続けていくと、少しずつ部下は心を開いてくれます。
「そんな風に感じてたんだね」
「そう思うのも無理ないね」
といった、安心を伝える言葉が鍵になります。
心理的安全性は、言葉と態度の積み重ねによって生まれます。
1on1は、忙しい中でも部下とつながるための大切な時間。
「考え、感情を受け止める場」としての1on1が、離職防止にも、チームの成長にもつながります。